孤高の職人として生き抜いた人生
					
					
					
					
					
					
					
					
					
					
					










薄暗い空の下、ジョージは一人、砂利石の山の上に立っていました。眼前には雲が広がり、足場はとても悪く、厳しい気象条件がジョージに緊張を強います。彼は、まるで祈るように、一心不乱に地面を掘り続けていました。
 
人がなかなか足を踏み入れない場所で鉱石を採り、それを売ってジョージは生計を立てていました。大自然を相手にする日々。作業の手を止めた時も、ジョージの心は常に仕事とともにありました。
 
たまの息抜きは海での釣りでした。陸から少し離れた海に、小さな筏を浮かべます。釣り糸を垂らし、波の音を聞きながら、彼は穏やかな時間を過ごしました。海側から眺める街の景色が、仕事の疲れをそっと癒してくれました。
 
山の中でも、海の上でも、ジョージはいつも一人でした。黙々と作業を繰り返し、深く物思いに耽ります。それでも彼は、自分のこの静かな日常に、とても満足していました。
 
ある日、ジョージは仕事中に足を滑らせ、怪我をしてしまいました。病院での入院を余儀なくされ、仕事ができないことに焦りを感じます。しかしその一方で、ジョージは心のどこかで少しホッとしていました。そうでもなければ、休む時間がなかったからです。
 
怪我はほどなくして回復し、ジョージはすぐに仕事に戻りました。彼は今まで以上に精を出し、毎日懸命に働きました。休むことなく、ひたむきに、ただ前だけを見て進みました。
 
一生懸命働いたおかげで、ついにジョージは大きな成功を収めます。食べるに困らない生活は保証されましたが、豪華な暮らしや派手な社交界を苦手としたジョージは、晩年、高原の山小屋で質素に暮らすことを選びました。
 
最低限の食べ物と静かな暮らし、そして動物という温かいパートナーがいれば、ジョージはそれだけで十分でした。彼は山小屋のベッドで、愛犬に看取られながら、静かに息を引き取りました。
 
【現在の魂の気づき】
生涯を独身で過ごし、実直に仕事に身を捧げるジョージの生き方は、実際に私の現在とオーバラップしているところもあり、このまま自分が信じた道を歩み続けて良いんだと勇気づけられました。
世間の価値観に合わせ結婚して子供を産み育てる生き方だけが幸せではないと、孤独かもしれないけれど自己実現を追求する生き方を肯定してもらった気がします。地に足がついていて、辛くてもがんばろうと力強く思えるようになりました。
