勇気を持って夢を追いかけて
					
					
					
					
					
					
					
					
					
					
					










地球ではない、遠い星のどこか。天井の高い、古いヨーロッパ風の大きな家に、キリクは住んでいました。彼の銀色の身体には、いつも長いマントが羽織られていました。
 
7歳の時、キリクは両親と幼い妹をいちどに失いました。事故は突然でした。使用人の老女エララは、小さな彼を抱きしめ、囁きました。「みんな遠いところで、楽しく過ごしているわ」
 
20代になったキリクは、両親が残した部屋で、趣味の延長として空飛ぶ乗り物の研究を続けました。それは、この星で見たこともない形の、自由な飛行機でした。エララの言葉を胸に、「遠いところ」へ思いを馳せながら。
 
歳月は流れ、キリクが52歳になった時、彼の研究はついに大きな成果をあげました。彼の頭の中の夢が、現実の宇宙船となって目の前に現れたのです。その機体は、夜空の星のように静かに輝いていました。
 
ドーム型の大きな会場で、キリクは集まった人々の驚きと称賛の視線を受けました。彼はゆっくりと話し始めます。「この成果は、私一人で成し遂げたものではありません。私を支え、信じてくれた、みんなのおかげなのです」
 
80歳頃、キリクは杖をつきながら、若い学生たちに囲まれていました。彼らはみな目を輝かせ、キリクの言葉に耳を傾けます。キリクは、自らの体験を楽しい冒険物語として語り聞かせました。
 
「人とは違うことをやってきたけれど、それで良かったんだよ」キリクは深く、静かに語りかけます。「勇気を持って夢を追いかけさえすれば、最後には、必ず、すべてがうまくいくものなんだ」
 
すべてを悟ったように、キリクは静かに息を引き取りました。彼の心には、満点の星空のような、希望の光が広がっていました。
 
【現在の魂の気づき】
私は幼い頃から、家を離れるたびに「家族が突然いなくなるのでは」という根拠のない不安に襲われていました。でも、過去世のキリクの「家族の死はショックだったが、私の人生の歩みそのものは変わらなかった」という言葉を聞いて、その不安はすっと消えていきました。
これまでは、「成功しないと意味がない」とプレッシャーに押し潰されそうでした。でも今、「楽しければ何でもいいのだ」と心から思えます。「何かを成し遂げようと、無理をしなくていい」キリクが言ってくれたその優しい言葉は、私にとって希望の光です。
