ミオと心の声
					
					
					
					
					
					
					
					
					
					
					










ミオと心の声(本文)
			ミオは、毎日を静かに、そして少し寂しく過ごしていました。窓の外を眺めても、街の賑わいは彼女の心には届きません。
 
ミオはいつも、心の中に小さな空洞があるように感じていました。その空洞を、誰かに埋めてほしいと願うばかりで、なかなか満たされることはありませんでした。
 
ある日の午後、いつものように一人でいると、心の奥から小さな声が聞こえてきました。「ねえ、ミオ。なにがそんなに寂しいの?」
 
ミオは驚きました。それは、ずっと無視してきた自分自身の心の声でした。彼女はそっと目を閉じ、その声に耳を傾けました。
 
「私は愛されたいだけなの。誰かに優しくしてほしいの」と、ミオは心の中で答えました。すると、心の声が尋ねました。「その愛は、誰かからしか受け取れないものなの?」
 
その言葉は、ミオの心に深く響きました。彼女は初めて、自分自身に目を向けることを考えました。自分自身を愛する、ということ。
 
ミオは、自分の好きなこと、楽しいと感じることを一つずつ思い出していきました。温かいお茶の香りを楽しむこと。お気に入りの本を読むこと。静かな音楽を聴くこと。
 
ミオは、自分に優しく語りかけました。「ミオ、あなたは頑張っているね。いつもありがとう」そう言うたびに、心の空洞が少しずつ温かい光で満たされていくのを感じました。
 
寂しさは、もうそこにはありませんでした。ミオの心は、自分自身への愛でいっぱいです。その愛は外の世界へと溢れ出し、彼女のまわりを明るく照らしました。
 
ミオは知りました。本当の愛は、まず自分自身の内側から生まれるものだということを。そしてその愛は、いつでも彼女の心の中で輝いているということを。
